1996年、ウガンダで初めて公平な大統領選挙が行われた年でした。
ウガンダでは、1980年に大統領選挙が開かれていますが、明らかに不正があったといわれており、現ムセベニ大統領がゲリラ活動を始めたのも、この選挙の不正が直接の原因となっています。
1996年の選挙は、現行のムセベニ大統領とカソリック教会が母体となる民主党のセモゲレレ候補の一騎打ちでした。カンパラでも、地方都市でも、選挙活動が行われ、かなり盛り上がりました。アフリカの文化なのでしょうが、選挙でも何でも一旦大勢の人が集まるとお祭り気分になります。選挙活動をしている政治家に関心があるというよりは、公平な選挙への期待やその喜びのほうが強い様子でしたが、演説に聞き入る人々の表情は活き活きとしていました。
5月9日に投票が行われましたが、新聞やラジオなどのメディアを含めて、国中の関心が大統領選挙に集まり、投票所には未だ暗い朝5時から投票者が集まり始めました。国中が公平な選挙を持つことの喜びに溢れ、内戦という苦い思い出の残るご年配の方たち、内戦中に幼年期を過ごした若者たち、皆が真剣な面持ちで投票しました。その光景に憶えた感動は、今でも忘れられません。
投票結果は、投票率73%、得票率75%という数字で、ムセベニ大統領が圧倒的な勝利を収めました。
その後、2001年と2006年にも大統領選挙が行われ、選挙自体への喜びはなくなってきたものの、それぞれ70%、69%と依然として高い投票率を保っています。