1994年、ウガンダにはロード・ライセンスという自動車税の制度があった。日本の重量税みたいなので、自動車の排気量や積載量に合わせて、毎年1-200ドル支払っていた。これがなくなったのは、数年前だと思う。
年に一度、保険とロード・ライセンスをまとめて収めれば、何の問題もないのだが、なかなか上手くいかないのが常だった。
ロード・ライセンスを徴収するのは税務署なのだが、ウガンダらしく事前には一切通知はせずに切れたら即逮捕をするのである。なので、個人が自主的に且つ計画的に納めに行かなければならないのだが、年に一度のことなので、これを忘れてしまう。気付くのは、街中で警官に止められた後であることが多かった。
また、この税金を徴収するのは税務署で、違反を取り締まるのは警察という仕組みも良くなかった。忘れずにロード・ライセンスが切れる前に、税務署に行ってもパソコンが壊れていて払い込み用紙をくれない、また支払った後でも更新の手続きをしてくれない、というトラブルも度々であったが、それでもロード・ライセンスが切れていると路上で逮捕される。皆逮捕されて、裁判所まで行って罰金を支払うのが面倒なので、警官に賄賂を渡して解決するのだが、ロード・ライセンスが切れているのは税務署のせいなのに、車の利用者が逮捕されるのを毎回理不尽に思っていた。
路上で解決できてしまうという背景があるので、2年分も3年分も滞納してしまう人も多かった。毎回渡す賄賂を足していくと十分正規のライセンス料が払えたのではとも思うのだが、その場しのぎが得意なのでこうなってしまう。税務署もこれにはかなり手を焼いていたようで、何度か一斉取締りをしたり、滞納のない車両には証明のステッカーを発行して、摘発に取り組んでいたが、なかなか上手くいかなかったようだ。
そして、数年前にこの不評の税金が廃止されるのだが、廃止後もその発表の仕方が悪かったのか、本当に払わなくても良いのか、皆が戸惑っている期間があった。ロード・ライセンスがなくなって、現在は毎年ちゃんと保険さえ払っておけば、路上で止められることはなくなった。