ウガンダには自動車学校はあるが、教習所はない。だから、みんな路上で車の運転の練習をする。
教習所のマークの入った車を恐る恐る運転している人を見ると、その恐怖心が周囲にまで伝わるのか、一般の車両も教習者にはなるべく近付かないようにと、周りの人まで恐る恐る車を走らせる。
その割には、助手席に座っている教官は冷静な面持ちで、生徒にぶつぶつと喋りかけている。日本の教習車と違い、改造されていない普通の自動車が使われているので、助手席側にブレーキはなく、教官が教習車を操作することはできない。
今でこそ、セダン・タイプの乗用車が教習車として使われているが、もともとはウガンダで教習車といえばサニー・トラックしかありえなかった。サニトラは荷物を運ぶのが役割なので、他の車で教えれば良いではないかと言う私に対して、周りの皆は教習車はサニトラに決まっている、この異邦人は何の分からないことを言うのかというような反応だった。それくらい、教習車は全てサニトラであった。
わざわざ、お金を払って自動車学校に来る人たちは、本当に車の運転の仕方を勉強したい人たちばかりだ。当たり前と言えばそうに違いないのだが、そうしなくても免許証は取れる背景があるので、実は別に自動車学校に行く必要性はない。
なので、自動車学校に来る人たちは真面目な人が多く、自分が運転しない時は、他の生徒の運転する車の後部座席に乗って運転の仕方を観察するなど、結構真剣にやっている。
車庫入れの練習をしている光景を見たことがある。しかも、路上でだ。しかし、さすがにバックの練習は路上では出来ないのか、ウガンダの運転手でバックが出来る人はとても少ない。駐車場とかでも、バックでスルスルスルと出れば良いのに、10回の20回も延々と時間をかけて切り返しをして方向転換を試みる。
前進あるのみ!人生には方向転換が必要な時もある!と人生論的にまとめてみる。