以前にも小学校の卒業試験のことを書いたことがありますが、昨日1月20日に2010年分の試験結果が発表されました。
http://www.newvision.co.ug/D/8/12/744441
2010年は、512,057人が受験し431,123人が合格、合格率は84.2%とあります。ある地方都市では、入学時の2割くらいしか最終学年の7年生まで到達しない現状があり、またいろいろな理由で卒業試験を受けない子供も多いので、そのデータはありませんが、事実上の卒業率というのはもっと低いものと考えられます。
上記の記事、紙面のものには、試験結果が上位の「ディビジョン1」の比率を県ごとにまとめた表があり、カンパラが1番で約28%、2番目はムバララ県で22%、3番目がワキソ県で18%でした。
都市部と地方の格差が激しく、83県のうち、上記の3県を含めた13県は「ディビジョン1」で合格した児童数が10%以上なのに対し、53県は5%以下で、33県が3%以下、2県は1%以下でした。カンパラの私立小学校では、受験者の9割以上が「ディビジョン1」というところもありました。その地域や親の経済力が、試験結果に直結しているように見えます。
http://www.newvision.co.ug/D/8/13/743929/
こちらは、今週あったマケレレ大学の卒業式関係です。今年卒業する13,296人のうち、236人が大学院に進める「ファースト・レベル」だったようです。マケレレ大学の卒業生が1万3千人であれば、ウガンダ全体での年間の大学卒業者数は5万人はいるでしょうか。ウガンダにある法人などが雇用できる被雇用者数を考えると、これは完全な過剰供給で、社会の構造に見合わない教育構造になっていることが良く分かります。
卒業式の当日は、高級レストランで子供の大学卒業を祝う家族の姿をいくつか見かけたのですが、こうやって大卒者の数が増えれば増えるだけ、大卒者の価値が下がってしまう、大学を出れば大臣かという時代もあったらしいのに、なんて、その姿を見ながらそんな複雑な思いになりました。
社会構造に見合わない、目的のない教育、というのが常々私の感じているところです。もっと、社会の実情に合わせた教育をしなければというのは、日本も同じかもしれませんが。