アフリカでの商売、2回目は「良いものは勝手に売れる」。
今日は、商品について。市場が求めているもの、良いものは、放っておいても勝手に売れる。良くて安いものは、水が高きから低きに流れるように、売り手の手助けなしでも、商品が勝手に売れていく。これは、サービス業でも食品でも電化製品でも同じことがいえると思う。
逆に、商品がなかなか売れずにいて、売り手が何かしら理屈を考えて、商品の売れるのを一生懸命手助けしている場合は、残念ながらその商品に力がないことが多い。市場がその商品を欲していたら、その商品は放っておいても勝手に売れる訳で、てこ入れをしようとしている時点で、先ずはその商品における需要と供給の関係性を疑ってみないといけない。
これは、アフリカ特有の事情ではなくて、日本でもどこでも同じだと思うのだが、多くの人に、アフリカは未知の市場、手付かずの希望にあふれた市場に見えるのか、なぜかこの基本的な商売の原則を見落としがちなように思う。
ここで怖いのが、日本人の真面目さで、アジア系を含めて多くの人たちは、商売の目的か最低条件は金儲けと考えていて、儲からない場合はあっさりとその商売を止めてしまうのだが、日本人は勤勉で働くことが大好きで美徳として考える傾向が強く、「勝手に売れない商品」に延々と努力を重ね愛情を注いでしまうことがある。あと、努力をすればどうにかなるというような考えの人も多い。結果、自己資金が底を突くならまだしも、人様の資金にまで影響がでると大変なことになる。
アフリカはどこの国も、街のどこかに携帯電話を売るお店が無数に並ぶ一角があって、それを見ていると、ひねりのない商売だなと思いつつ、自分自身に経営の知識も商品知識もない彼らが、ひたすら「勝手に売れる商品」のもつ商品力に頼って商売をする姿は、ひとつ商売の原則に忠実なやり方だなと思うこともある。
あと内需が小さく、経済基盤が弱いこともあり、純粋な投資ではなくて、二次的な意味合いの商売であることも多いが、この場合の一次的な要素を市場が評価することは殆どない。
アフリカの商売は競争が少ないのは事実だが、市場の評価はとても現金で、良いものは売れるという基本的な原則は日本もアフリカも同じだと思う。