アフリカの商売、第3回目は「勉強をしない」
ほとんど学のない私の根拠のない自論だが、人間の脳はコンピューターでいうところのHDDとメモリーとプロセッサーが一体化してできていて、どこかを強化すると他方にひずみが出る。個人差もある。
HDDにたくさんものを入れ過ぎて、プロッセサーの領域が狭くなってしまい、うまく情報処理ができなくなってしまっている人、HDDにあれだけたくさんものを入れているのに、プロセッサー域がちゃんと残っていて、情報を高速処理できる人、HDDもプロセッサーもしっかりしているのに、とっさに適材適所的な情報を引き出せない人など。
こういう意味合いでいうと、アフリカで商売をやるならば、HDDの領域は最小限に留めて、なるべくプロセッサー部分の領域を確保した方が良い。人は問題を解決するのに、知識のある人は知識の中から答えを探そうとして、知識のない人は探そうにもそもそも知識がないので自分で考える。アフリカで起きる問題への解決は、後者のやり方の方が役に立つことが多い。
撮影許可を持っているのに、撮影許可を持っていないという理由で逮捕される、支払いを済ませ予約証明も持っているのに、予約がないとホテル・航空会社に宿泊・搭乗を拒否される、既に満席・満室、交通事故の被害者なのに加害者が警官を買収していて、修理代を負担させられようとしている、警察に刑事事件の被害届けを届けても一向になにもしてくれない。
アフリカでの問題の多くは、普通の日本人の想像を絶するところにあって、既存の学問や本などから学ぶ知識が役に立たないことが多い。なので、その都度自分の頭脳で思考して、解決方法を考え出すしかない。なので、時々瞬発的な思考ができるように、少し脳に余裕を持たせておいた方が良い。
商売をやるならその専門分野での絶対的な知識は必要だし、最低限の語彙数がないと辞書を引くことができないのと一緒で、ある程度は思考の基盤になる知識も要る。ただ、アフリカで商売をやっていると、多々問題に巻き込まれるので、その都度自分の目で周囲を見て、状況を判断して、解決策を考えないといけない。
小さい子供は持っている情報が圧倒的に少ないので、おそらくこれを毎回やっている。自分より何倍も背の高い親なり先生なり大人の様子を見て、怒っているか優しい人なのかを判断して、その大人とどう接するかを自分で考える。いろんな勉強をして知恵が付くと、それに胡坐をかいて、応えを考えずに探そうとする。