休校と出入国以外の規制が解除され、国内経済が再開したウガンダだが、コロナの規制前とは異なる姿を見かけることが多いので、最近の街の様子などを書いてみる。データに基づかない、あくまでも私自身の狭い見聞に基づく内容だ。
*教育機関*
ウガンダの人口において、15歳以下がその5割を占めるといわれており、単純計算すると、人口の4分の1が就学年齢にある。なので、休校の与える経済的な影響は大きい。
人口増加率も3.6%、世界4位と高いため、子供が増えるに合わせて近年多くの学校が作られた。特に都市部では教育熱も高く、日本と違い学校側の売り手市場だったこともあり、学校経営は手堅い商売と考えられ、私立学校は銀行かお金を借りて始めたところが多かったようだ。しかし、コロナの影響で、まさかの経営不振に陥り、銀行のローンの返済のために学校を手放すというオーナーも多いらしい。そうなった場合、子供たちが行く学校がなくなってしまう。また、私立学校の教師の殆どは3月から給与をもらえていないようで、また教員不足になる可能性もある。
親が早く子供を学校に戻したがっているという声もあがっていると聞く。ずっと、子供が家にいることに精神的にも経済的にも限界を感じているらしい。子供がずっと家にいると、仕事にも支障が出るだろうし、食事代も、食事を作る手間で大変というのは、日本もウガンダも同じようだ。また、10代の女生徒の妊娠も増えているようだ。
*カンパラの人口*
コロナ関連の規制が始まった頃、多くの人が都市での生活を諦めて、農村に移動したことを聞いていたが、カンパラの街にいる人の数が以前よりかなり少ないように見える。データがないので、実際にどれくらい少ないかは分からない。ショッピングモール、市場、街中を歩く人、どこをとっても人が少ない。
*購買力の低下*
これもデータがないのだが、市場に行くと以前よりも在庫が充実していて、過剰供給に見える。販売価格が下がっている商品が多いのに、それでも売れないらしい。これは農村にも影響を与えていて、都市部に高くで売っていた換金作物の販売価格が何分の一にまで下がっているらしく、都市部の人が農村に行った時に破格の値段で農産物を買ったというのは最近カンパラでよく聞く会話だ。
スーパーマーケットも最近は在庫処分セールを行っているところが多く、また、郊外よりも街の中心部にあるスーパーの方がその傾向が強い。こちらも需要に対して供給過多の状態になっているようだ。売れないとなると、次回仕入れる必要はなくなるだろうから、近い将来棚に空きの多いスーパーも増えるのだろうか。また、とにかくスーパーに来る顧客が少ない。以前はレジに並ぶ人が多くていらいらさせられることが多かったが、最近は全く並ぶことがなくなった。ごく一部のスーパーは上手く仕入れができなかったのか、半ば商売を諦めているのか、既に棚が空になっていた。
公共の交通機関は、乗り合いバスが6月始めに、バイクタクシーが7月の終わりに営業を再開したが、街中で見かける乗り合いバスの台数が以前と比べて圧倒的に少ない。乗員数を半分に制限ているため、バス代が値上がりしたこと、なぜかバイクタクシーも便乗値上げをしていることも背景にあるようだが、そもそも人口が少ない、交通費を払える人が少ないのが理由だろう。
*違法営業の取り締まり*
コロナの規制が始まって直ぐの頃、警官に棒で叩かれて街中から追い出されるウガンダ人の映像が流れたが、そうやって一度は街中から人が姿の消したのだが、交通機関が再開する前あたりから、路上で違法に衣料品などを販売する露天商が急に増えた。以前にも、増える、取り締まるという波があったのだが、現在は明らかに数が多い。規制の関係でビル内の店舗の営業が禁止されていた時は致し方ないともいえたが、それが解除された今も状況は変わらない。
バイクタクシーも、街中への乗り入れが禁止されているのにかかわらず、乗り入れ禁止地区で人を乗せている姿が普通に見られる。アフリカ版のUber、セーフボダに登録されているバイクは流石に違法の運行はしていないようだが、それ故に正直者が馬鹿を見る現状になっている。そのためか、セーフボダの制服を着たバイクの割合が以前より減ったように見える。背に腹は変えられず、制服を脱いで闇営業をやっているのだろうか。
以前からも、法はあるが取り締まらないというのは、アフリカでよく見かける現象だったが、現在取り締まる行政側に問題があるのか、皆経済的にかなり苦しい現状で取り締まることの意味合いを理解して取り締まらないのか、予定通りに行けば2021年1-2月に行われる大統領選挙を気にして国民の反感を恐れているのか、以前よりもかなり違法営業のお店が増えている。
続く。