
私はウガンダに1994年にやってきた。94年は内戦が終わって8年目の年で、街中に新しいビルはなく、あるのは独立前に建てられた時代錯誤のような建物ばかりで、電気、水道などのインフラもかなり乏しく、通信事情もかなり悪かった。購買力がなかったので、まともなスーパーもなかった。内戦の影響で、また小学校の無償教育が始まる前だったので、学歴のある人もとても少なかった。
それに対し、2022年の現在では街中に数多くの新しい建築物ができて、購買力も上がって大きなスーパーもたくさんできた。停電や断水もかなり少なくなり、通信事情もとても良くなった。また、小中高の無償化が進み、毎年多くの人が大学を卒業している。内戦から復興という要素はないものの、他のアフリカの国も同様に発展していて、生活も格段に快適になってきている。データを調べてみると、国民一人当たりGDPの額も増えているし、インフラでは電気や水道の普及率、舗装路の距離などの数値はいずれも確実に上がっている。
なので、私の目にはどう見てもアフリカは発展しているようにしか見えない。なのに、多くの人が「なぜアフリカは発展しないのか」と考える理由は、常にアフリカが経済的順位の下の方を占めているからだろうと思う。
テスト結果の順位の低い子供がいて、順位は低いなりに、1年生から2年生、2年生から3年生になるにつれて、確実に学力をつけていっているが、他の子供たちには追いついていないから、順位は下のままという状態に似ていると思う。
「なぜアフリカは発展しないのか」という問いの答えの一つは、絶対的には間違いなくアフリカは発展しているのだが、相対的な評価や順位という基準では、アフリカは発展していないように見えるということなのだろう。
加えていうなら、その相対的な評価の基準も先進国が独自に作ったもので、それに基づいて順位が低いと評価されていて、アフリカからするといい迷惑ともいえるが、それに甘んじているのには何らかの理由があるのだろう。
上記でアフリカは発展していると書いたが、その発展は国際協力や援助に基づいたもので、本当の意味で彼らが自分自身で発展させたわけでないのも一つの事実だ。