本 村上龍「コインロッカー・ベイビーズ」

コインロッカー・ベイビーズ
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未だに紙の本が好きで、紙の方が目に優しくて読みやすいからとか、読んだ感じがするとか、本を所有している感じがするからという理由なのだが、いわゆる積ん読で、関心がある本をまとめて買っておいて、時間のある時に1冊ずつ読んでいく。中古本だと本当に安い本も多く、ついついたくさん買ってしまう。

最近はずっと仕事関連の勉強する内容の本ばかり読んでいて、時には本の娯楽である小説を読んでみようと思い、本棚にある小説からこの本を選んだ。20代に村上龍にかなり嵌まった時期があって、その中でも強く引き込まれた記憶のあるのが「コインロッカー・ベイビーズ」だ。

コインロッカー・ベイビーズ

1984年発行の本で、1994年29刷とあるので、私がウガンダに来た後に買った本で、まだインターネットもなかった時代、あの頃は今よりもずっとたくさんの本を夢中になって読むことができた。しかし、発行から10年間で29刷とは、当時本当によく売れた本だったのだろう。

 

現在50代の私は、はたしてこの本を20代の頃と同じような気持ちで感動でこの本を読むことができるだろうかなど考えながら、この本を本棚から取り出して読み始めた。本の頭から強く内容に引き込まれ、暇があるとこの本を開き、上下2冊を3-4日で読み終えた。これだけ刺激的な表現、描写、展開をよくも2冊分も並べたなと思う。この本のどこを開いて読んでも強烈な内容が書いてある。まあまあの長距離を最初から最後までずっと全力ダッシュで走りきるような感じで、読み手に体力が求められる本だ。

1984年発行、今年は2024年、発行から40年も経っている本だが、その魅力は全く色褪せていない。と思うのは、私が若い時にこの本を読んだことがあるからだろうか、自分が育った時代背景も関係しているのだろうか、現代の若い世代はこのような本を面白いと思うのだろうか、この本の余韻に浸りつついろいろ考えた。

好き嫌いが別れる本だと思いますが、刺激的な小説を探している方にお勧めの一冊です。

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