オフ・ザ・ウォール

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日曜日、暇だったので、少し車を走らせてみた。ただ、週末とはいえ、思い切りアクセルを開けるには、交通量が多過ぎた。スマートフォンで音楽を聴く。

カイリー・ミノーグ「Can’t Get You Out of My Head」を聴いて、次がクリスティーナ・アギレラの「Genie in a Bottle」で、その後ランダムの設定になっていたのか、なぜかジプシー・キングスの曲がかかり、前奏を聴いて最後まで聴こうかと思ったが、ボーカルが始まったところで考えが変わって、ダイアナ・ロスの「I Will Survive」を聴いた。

街を出る渋滞を抜けた辺りで、運転を始めて1時間近く経っていたことに気付いた。交通量が減り、直線が続いていたので、アクセルを全開にする。ギアが変わっても、べた踏みでペダルを踏み続ける。若い頃はあれだけ平気だったのに、今はこの速度で恐怖感を感じる。今日は、当時よりもよっぽど性能の良い車に乗っているにもかかわらずに。

という感じで、長い直線でのべた踏みもさほど続けられず、若かった時ほどの速度も出さなかった。長い直線では必ず最高速アタックをして、メーターの針を振り切っていたが、その時はその時なりの覚悟があって、速度という快感のために何かを犠牲にしても良いと思うような覚悟が今の自分にはないのだろう。

Robin Sの「Show Me Love」、LL Cool Jの「Around the Way Girl」を聴き終わったところで、車の向きを変える。スマートフォンの音楽を止めて、車のラジオを付けた。いくつかのスピーカーの音が割れていた。普段、車でラジオを聴かないので、気付きもしなかった。壊れたまま、きっと長いことほったらかしになっていたのか。

意図せずにつけたラジオでは、全盛期はきっと記憶にないだろうと思われる、若い声の女性がマイケル・ジャクソン特集をやっていた。最初、アルバム「オフ・ザ・ウォール」から数曲がかかり、クインシー・ジョーンズとの出会い、レコード会社が変わったことなどを女性の声が説明し、そして「バッド」がかかった。「スリラー」と「バッド」なら、「バッド」の方が私は好きだが、「オフ・ザ・ウォール」の名曲を聴いた後に、これを聴くと絶対に失敗なくヒットさせるというような商業的な下心も感じられ、子供の頃聴いた時ほど純粋に楽しめなかった。

アフリカは情報量が少ないことも背景にあるが、古い曲がラジオに流れていることが少なくない。マイケル・ジャクソンのそれに関しては、圧倒的に「オフ・ザ・ウォール」からの曲が多い。全盛期のその時、マイケルの歌は常に映像とセットになっているのが基本で、売れ過ぎてどんどん批判やスキャンダルも増えて悪いイメージもあったのか、当時映像なしの音楽だけでは後々長くは残らないだろうと思っていたが、死後数年経ってもアフリカでは映像なしのマイケルの音楽の曲がラジオでかかるし、今でも新鮮さがある。しかし、映像があまり強烈でなかった頃の曲の方が、好まれているのには何か理由があるのだろう。

若い女性のマイケル特集が終わり、ラジオを切った。そして、スマートフォンで「Smooth Criminal」を聴いた。カンパラの街に近付くにつれて、車の量が増えてスピードが出せなくなったが、若い頃ほど苛立つことなく運転を続けた。

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