友情のクラッチ

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photougandaは、ある日の晩、バイクに乗ってぷらぷらと散歩に出かけた。目的地に到着すると同時に、クラッチ・レバーの感触がなくなり、2本指でクラッチを切る癖のあるphotougandaは、小指と薬指をクラッチ・レバーで挟んだ。よく見ると、クラッチのワイヤーが千切れている。道中で切れなくて良かったと安堵するものの、ここからどうやって帰るか途方にくれた。

このバイクにはセルフ・スターターは付いていない。この先の坂をバイクを押して登り、下り坂を利用してバイクにまたがり、キック・スタートか。しかし、純正のCDIでないため、エンジンをかけるためには少なくとも10回はキックしないといけない。果たして、この下り坂を下り終えるまでに、10回キック・レバーを蹴ることができるだろうか。また、かかってもその先にある交差点で止まり、一旦ニュートラルに入れたら、クラッチなしで発進できるだろうか。なかなか良い考えが浮かばない。

時間は既に夜9時。ガソリン・スタンドまで押しても、おそらく治せる人はいない。そこで、ある男に声をかけられた。”photougandaさん、どうされました?”何故名前を知っているのかと思いながら、振り向くと、そこには10年程前に板金工として雇っていたワスワ(仮名)がいた。5-6年ぶりの再会だった。バイクのクラッチ・ワイヤーが切れて、動きがとれないことを説明したところ、彼は友人のバイクの修理工を呼んできてくれるという。

待つこと10分。ワスワはバイクの修理工を連れて帰ってきた。修理工の右手には汎用のクラッチ・ワイヤーが握り締められていた。バイクを直してもらったphotougandaは、修理代を済ませ、無事に帰路に着くことができた。

正しく、友情の結んだクラッチだった。

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