挨拶はチャイナ

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チャイナ、チャイナ。ウガンダに来てから何度そう呼ばれたことか。いちいち数えていないけど、千とか2千回ではないと思う。毎日3回でも、365日と10年間で、1万回を超える。実際には、1日百回呼ばれる日もあるのだから。

ウガンダ人にとって、外国人は3種類しかない。白人はムズング、インド人など南アジア系はムインディ、極東系はムチャイナ。分類の仕方は外見のみ。どこの国籍だろうが、何語を話そうが、外見がムチャイナであれば全員ムチャイナ。

街中をたむろするごろつき、かわいい子供たち、おまわりさん、チャイナチャイナと囃し立てられることもあれば、ミスター・ムチャイナと丁寧に言われることもある。白人に向かってはムズング、インド人ならムインディ、ルワンダ人ならニャルワンダ、まぁ、飽きもせずよく叫ぶものだ。ムチャイナに関しては、ムチュングリ、チェンチャンなど派生語ができるほど。

それでも、街中で外国人が増えてきて、珍しさがなくなってきたのか、何も言われないことも増えてきた。ここは言われるなと構えているときに言われなかったりすると、存在を無視されているようでいけない。

カンパラ・マラソンが始まってから、カンパラ郊外でランニングをする外国人が増えた。私も走り始めたときは、チャイナ・チャイナとよく叫ばれていた。同じコースを何年も走っていると、相手にも新鮮さがなくなってくるのか、だんだん叫ばれなくなってきて、かけられる言葉も、”今日は新しいシャツですね”、”頑張れ、頑張れ” などに変わってくる。1日のうちでも2週目3周目になると完全に無視される。

ウガンダに来てすぐの時は、あまりの行儀の悪さに”今、チャイナって言ったのは誰やー、お前ちゃうんかー”などいちいちお相手させていただいたが、最近はやめた。理由は、疲れたからではないし、効果がなかったからでもない。マラソン35キロを過ぎて、ヘロヘロになっているところを、チャイナ・チャイナという応援か冷やかしに支えられて、フルマラソンを完走させてもらったからだ。時には良いこともあった。

チャイナ・チャイナといわれるのは、一応社会に認識してもらえているとも受取れる。叫ばれると、うっとうしいこと極まりないが、社会から無視・疎外されるよりは良い。”チャイナ”は挨拶代わり。

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