ウガンダに限らず、アフリカにいると良く耳にする言葉がある。私はその言葉があまり好きではなかった。怠慢、病んだ社会を象徴しているように感じていたから。
「ギブ・ミー・マネー」
去年、ある人の言葉を聞いて、それが変わった。
「ギブ・ミーマネーで、ええやんか。わしらもそないゆうとったんや。ギブ・ミーマネーの、何の悪いことがあるかい。」
そう言った、年配のおじさんは、恐らく日本の戦中戦後の体験者で、「個人的に」とは到底思えないくらいの量の物資を、ウガンダのある村の組織に寄付し、自分の手で一人一人の子供たちに笑顔で衣料品を配っていた。
確かに、そうだ。食べるものに困っている人たちに、礼儀も行儀もある訳がない。先ずは、その空腹を満たすことが先決に決まっている。お腹が満たされないのに、心が満たされている訳がない。行儀の良さをとるか、自分の命の存続をとるか、答えは明らかだ。
私はそれからは、そのおじさんの言葉を真似て、こう考えている。
「ギブ・ミー・マネーで、ええぞ。ただな、わしはお前に、一銭もやらへんからな。」
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