パイナップルの正しい食べ方

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前回、お弁当のない文化について書いたが、今回はパイナップルの食べ方について。

小さなカヌーに乗って、バード・ウォッチングに行ったときのこと。その日は、片道2時間以上カヌーを漕いでいったので、夕方まで岸に上がらなかった。私の昼食はタッパーに入ったチャーハン、船頭さんはパイナップル一個丸ごとを持ってきていた。

ウガンダのパイナップルは本当に甘いので、あれをひとつ食べれば、水分を補給できて、満腹感も十分出る。しかし、船頭さんはパイナップルを切る包丁を忘れていた。広大な湿原の中、取りに帰るには2時間船を漕がないといけない。船中にあるのは、私のカメラと昼食と飲み物とかばんと、船頭さんの双眼鏡と携帯電話と、それくらいしかない。パイナップルを切れそうなものは見付からなかった。

そこで、何が起きたか。船頭さんが、手をグーにしてパイナップルにパンチを入れ始めたのだ。いくら船頭さんの手が強いとはいえ、パイナップルも堅い。1発では割れない。5発くらいパンチを入れたところで、パイナップルから汁が垂れてきて、それを船頭さんが飲んだ。更に、パイナップルにパンチを入れ続け亀裂が入ったところで、パイナップルを引き裂き、ようやく船頭さんの昼食が始まる。千切られたパイナップルを勧められたが、断った。

今思えば、船の縁にぶつけて割れば良かったようにも思うのだが、そこまで思い付かなかったのか、彼の美学がそれを許さなかったのか、今それを知ることはできない。

彼は結果的に、たやすく物事を諦めてはいけないことを、身をもって私に教えてくれたのだが、彼への感謝の意は湧き出さなかった。

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