1994年当時、ウガンダには携帯電話がありませんでした。始まったのは、翌年の1995年だったと思います。
当時、既にケニアで携帯電話が使われていましたが、電話機の機種は1種類のみで、GSMではなく機体ごとに番号が登録されているタイプでした。大きさはズボンの前ポケットにやっと入るくらいの大きなものでした。未だ、携帯電話の回線数が少なかったのか、携帯電話の入手は難しかったようで、プレミアムが付いたというような話もきいたことがあります。
話をウガンダに戻しますが、最初に携帯電話のサービスを始めたのはセルテル(今のゼイン)です。現在のようなプリペイド式はなかったので、携帯の番号をもらうのに保証金を積まなければなりませんでした。当時、電話機と保証金などで、千ドルくらいはかかっていたのではと憶えていますが、あの頃はとても景気が良かったので、比較的多くの人が携帯電話を手にしました。
それでも、ウガンダで始まったばかりの携帯電話、しかも手にしたのは保証金を払える人たちだけですから、携帯を持っているのはそれなりのステータスで、皆見せびらかすのように携帯を持っていました。当時は通話料も現在の数倍したので、毎月月末に回ってくる請求書が払えずに、携帯電話が使えなくなる人も多かったです。
そして、MTNが始まったのが、1997年か98年だったと思います。サービスが開始する前から、広告がとてつもなく盛大だったのを憶えています。MTNは最初からプリペイド式を導入し、しかも通話料はセルテルの半分くらいだったので、爆発的に携帯電話が売れ始めました。電波の届くエリアもあっという間に、セルテルのそれを追い越しました。
その反面、毎月の請求書を払うことの出来ていたセルテル・ユーザーは、プリペイドのMTNユーザーを格下として認識する傾向があって、未だにセルテル(ゼイン)に拘っている人もいます。
その後、2000年に入って以前国営会社だったウガンダ・テレコムもサービスを始め、ワリッドとオレンジが始まったのはここ2-3だと思います。人口が3千万人くらいのウガンダですが、携帯の会社は5社もあります。
電話機も良いものが安くなり、都市部だけではなく、地方でもかなり携帯が普及しています。