いつものピーナツ売りのおばちゃんからピーナツを買おうと思って、近くの通りにある彼女のピーナツ売り場に行ったら、そこには商品だけが置かれていて、おばちゃんはいなかった。
日中の日差しが強かったからか、おばちゃんは近くの木陰で編み物をしていた。100シリング・コインを出すと、おばちゃんは段ボールできた自分のピーナツ売り場に戻って、ピーナツを新聞紙に包んでくれた。路上にある彼女の売り場には、ピーナツ以外にも、ゆで卵、豆、ゴマ、飴なども売られている。
この前までは、1才にもならない子供をおんぶしていたのだが、手が離れたのか最近は一人で仕事に来ている。
普段ちっとも表情を変えないこのおばちゃん。お金をもらって、何が欲しいかを聞いて、商品を渡すまで、いつも同じ表情だ。機嫌が悪いというより、無表情でいることが彼女には自然な状態なのだろうといった感じだ。
一度試しに、100シリング分のピーナッツを買って、100シリングを渡してお釣りをくれと言ったら、無表情な顔つきでそのピーナツが100シリング分だと言われた。次に、冗談と分かるようにお釣りお釣りと言ったら、このおばちゃんがヘラヘラと笑って、早く帰れと言うので、早く帰った。へぇこのおばちゃんも笑うんだ、みたいな感じで。
いつも同じ場所でピーナツを売っているおばちゃんだが、1週間くらい続けて来ないこともある。ピーナツくらいほかのお店で買えばすむのだが、なんだか気になる。実家に帰ったのかなとか、子供が病気になったのかなとか。ピーナツくらい、ほかのお店で買えばいいんだけど。
* 2010年10月、1円=約28シリング、100シリングは約3.6円