警備体制強化

Pocket

イメージ 1

その夜は、いつもよりも犬の動き回る音がうるさく、家の中から何度か注意しても収まらなかった。そして、トタンの板をめくろうとする音が聞こえてきた。毎回脱走する犬がいて、トタンの板でフェンスの修復をしたのに、またその犬がトタンをはがそうとしているに違いない。懐中電灯でその箇所を照らしてみる。やっぱりあの犬がトタンの隙間に顔を突っ込んで外に出ようとしている。大きな声で注意をすると、その犬は何もなかったように素振りで家の方に歩いてきた。

夜中に大きな声を出しては近所迷惑だし、修復したばかりなのだから犬が顔で押すぐらいでは開けられないだろう。脱走してもあんな犬は帰って来なくて良い、そう思ってすぐ寝た。

しかし、その後も定期的にトタンのベコベコする音が聞こえる。再度、懐中電灯で犬を照らして注意をする。常に家の中から監視をしなければならないような番犬では、犬を飼う意味がなくなるし、第一私自分の睡眠時間も減ってしまう。なので、外に出て、直接犬を注意することにした。門番君も起こして、トタンのベコベコする音が聞こえたら、犬が脱走しようとしているのだから、直ぐに犬を止めるよう伝えよう。犬は素知らぬ振りをして私に近付いてきたが、肝心の門番君がいない。いつもの居場所にもいない。

よく見ると彼の自転車もなくなっていて、門は鍵がかかっていないままになっている。要するに門番はいないのだ。メードを起こして、昨日の晩門番君はちゃんと来ていたかを聞くが、ちゃんと来ていたと言う。ということは、彼は早退したということだろうか。黙って帰ったということだろうか。きっとそうだと思う。

そして、その日の夕方、門番君が現れ、昨日は出勤中に土砂降りにあって、完全に服が濡れてしまい、しかも外はかなり冷え込んだので、どうにもならなくなり途中で帰ってしまったとのことだった。確かに寒かったのだろうが、帰る時は一声掛けてね。

ということで、やはり人間は信用ならない、犬を増やそうという結論になり、もう一匹犬を買ってきた。この犬が大きくなれば、成犬が3匹で、門番も要らないくらいになるのでは。そもそもこんな小さな借家で、犬を飼って門番を雇うのは大げさなのだが、私が怖がりなのと、出張中が心配なので、当分はこの体制で行こう。

早く大きくなってね、まだ名前の決まらないシェパード君。頼りにしているからね。泥棒が来たらやっつけてね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA