今日は、久し振りにウガンダの新聞です。
写真上
ウガンダの2大紙、ニュービジョン紙とモニター紙の選挙予想の記事です。与党寄りのニュービジョン紙は、6,720世帯を対象に自社調査した結果、ムセベニへの投票予想が71%、野党寄りのモニター紙は有権者2,685名を対象に調査した国際調査団体の結果の引用で、ムセベニ51%となっています。
日本の世論調査と同じで、この手の調査は調べる会社の方針でいくらでも変わるので、あまりあてになりませんが、現行大統領のムセベニが優位なのは間違いないようです。
私が肌で感じるレベルでのお話ですが、今回は以前よりも盛り上がりに欠け、投票に行かないと発言する人も多くいるようです。ウガンダの大統選挙は投票率が毎回下がっているのですが、今回は更に下がりそうな感じです。
写真下
こちらは、オランダのハーグで始まった、国際刑事裁判所による神の抵抗軍の指揮官の裁判に関して、長年に渡り襲撃の被害を受けた地域の地元民たちの声をまとめたものです。
記事は、先ず裁判が英語で行われていることへに失望している、地元民が分かるように現地語に通訳して欲しいというところに始まり、2004年の虐殺の被害者の意見をいくつか挙げています。指揮官自身も子供時代に誘拐されて兵士に強制された背景があるので特赦を与えるべき、虐殺の生存者が既に彼を許しているのだから解放すべきだ、死刑は終身刑になるべき、虐殺を阻止できなかったウガンダ政府に帰属する問題だ、などの声があがっています。
紙の抵抗軍の活動に関しては、加害者、被害者共に同じアチョリ民族の人だったため、和平合意の時から、彼らの民族の慣習で解決する、ウガンダの国の法律で解決する、国際法で解決するというようなやり取りがありました。本来は国内問題なので、ウガンダ国内の裁判所で裁かれるべき事件なのでしょうが、紙の抵抗軍の基地が南スーダンやコンゴにあったため、国境を越えた事件ということで、現在国際刑事裁判所が管轄しています。
こんな長期間続いたゲリラ活動、資金や武器の調達が相当潤沢でないとできないことは間違いがなく、現場で動いた末端の人間だけがこのような形で吊し上げられて、背後で暗躍した資金や武器の提供者は裁かれることがなく、現場の指揮官だけを裁いても、根本的な解決にはならないでしょう。たくさんの被害者にインタビューをしてきた私ですが、トカゲのしっぽ切りのようで、この指揮官に同情すら感じます。