月が替わったこともあり、コロナのデータを見直してみた。
6月2日の時点で、アフリカ全体で占める割合は、感染者が2.43%、死者は1.16%、回復者2.27%、感染中は2.73%、重篤者は0.65%だ。アフリカ全体の人口が世界の14%くらいということを考えると、かなり優秀な数字といえる。ただ、3月末の時点では、感染者は0.55%、死者数は0.28%だったので、この2ヶ月で比率がやや増えているのは事実だ。
因みに、私の住むウガンダはまだコロナでの死者が一人も発生していない。これもデータからすると、世界中でも少ない例の一つであるようだ。感染例があって死者数がいない国は、現在世界に30カ国あり、国全体の人口の多い順で書くと、ベトナム9700万人、ウガンダ4500万人、カンボジア1600万人、パプアニューギニア900万人で、これだけの人口があり、島国でない内陸国で、未だに死者を出していないのは、少し自慢しても良いのではないかと思えるほどだ。因みに、ウガンダでのコロナの国内感染者数は10名ほどだ。
では、なぜウガンダではコロナの流行が抑えられているのかを、私の勝手な憶測も混ぜて考えてみる。様々な要素が組み合わさっているのだろうが、一つ目はウイルス側の都合で、きっとウガンダやアフリカの気候は彼らが活性化しにくい環境なのだろう。人間側でどうにかできる範囲は限られているだろうから、先ずはウイルス側の都合という要素が一番大きいと思う。以降は、人間側の都合で、ウガンダやアフリカにおける流行抑制の背景を考える。
感染症リテラシーの高さ
ウガンダは数々の感染症と戦ってきた百戦錬磨の国で、国としての感染症対策の蓄積が多く、実戦の体験も十分ある。且つ、国の啓蒙活動も活発だったため、国民の意識も高い。今でもエイズで2万人以上、マラリアで5千人、結核で5千人ほどが毎年亡くなっている。それ以外にも、一過的なコレラ、黄熱病、エボラなどの流行もあった。また、BCGの予防接種が義務付けられている。
脆弱な人の少なさ
感染症の多さ、乳児死亡率の高さ、医療レベルの低さが故に、いわゆる脆弱な人たちが自然淘汰されていた可能性。あと、65歳以上の人口が3%とかなり低いこと。今回のコロナの死者に、高齢者、基礎疾患や既往症を持つ人が多いというのが本当であれば、それに当てはまる人がそもそも少なかったのでは。高齢者以外は、根拠が明確でない私の個人的な憶測だが。
発祥地からの距離、流行の順番
今までアフリカ発のいろいろな感染症が出てきていて、順番としていつも最初に被害を受けていたが、今回は発祥地から距離が遠く、被害を受ける順番が後ろのほうだったことで、先に感染の広まった地区からの情報を活用することができた。感染症といえばアフリカという印象があるのか、コロナもアフリカで大流行すると思う人が多かったようだが、順番や距離という要因で流行の危険性を大きく回避できたのでは。
あと、半年なり1年も経つといろいろなデータが出てきて、ウイルス側の都合、人間側の都合がいろいろ具体的に示されることだろう。少しでも早くコロナ流行の原因を解明して欲しいと願うばかりだ。