コロナ禍、学校再開

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ウガンダでは、政府の指導のもと小中高、大学を含む全ての教育機関が3月20日から休校となっていました。2020年1学期は半ば過ぎで終わったことになります。そして、小中高の最終学年のみ、10月15日から始まりました。この学期は2学期とみなされ、また終わるのは12月18日なので、学期の期間は約2ヶ月。通常の学期は3ヶ月ほどあるので、かなり短くなっています。

 

以前に仕事で出会った教育関係者から、多くの父兄が学校の再開を切望しているとの話を聞いていたのですが、残念なことに、学校の再開に合わせて登校した子供の数はかなり少なかったようです。学校再開に関する記事をいくつか取り上げます。

 

2020年10月16日 モニター紙 登校する生徒数は僅か

学校再開の初日に登校した生徒数は僅かだったとの記事。カンパラ郊外のとある小学校では、57名中2名しか登校しなかったとのこと。どのように学校が再開されていくのか、本当に再開できるかというような懸念から、学費を払うことをためらった父兄も多かったようですが、圧倒的に多いのは、コロナ禍で家計がひっぱくして、そもそも学費を払うことができないという理由のようです。

 

2020年10月15日 ニュービジョン紙 厳しい条件下、学校再開

こちらでは、経済的な理由で今年10月ではなく2021年1月の再開を望む声が多いと書かれています。父兄の声、学校の現場からの声などが取り上げられています。

 

2020年10月15日 モニター紙 数百の学校がコロナのガイドライン関連で再開できず

教育省がコロナ関連の手順書を制定したものの、その基準の関係で再開できない学校が多くあるとの記事。私立の学校だけでなく、教育省が定めた基準を公立の学校も満たすことができていないというが現状のようです。

 

2020年10月15日 モニター紙 政府、学校再開の基準を緩和

学校がコロナ手順書の6割を満たせば、再開を認めることに基準を緩和したとの記事。座席の間が2メートル、寮のベッドの間が2メートル、そして手洗い場、この点が満たされていることを条件に、あとは6割で再開して良しとしたようです。今まで多くの学校の教室が芋洗い状態に近かったことを考えると、教室内での2メートル確保は現実的なものとは思えず、果たしてこの基準書はどこまで守られるのかと疑問を感じます。

 

2020年10月13日 モニター紙 政府、生徒に消毒液持参を認めず

こちらは、サニタイザー、アルコール消毒液を生徒が学校に持ってくることを禁止するとの内容。飲酒につながる可能性があるというのが理由のよう。

 

以上が報道の抜粋でしたが、実は中学校最終学年の私の次男も昨日学校に復帰しました。一緒に学校に行っていた、同校卒業生の長女の話によると、2学期初日に学校に来たのは、通常の4分の1くらいで、且つその半分くらいが学費を払わないまま来ていたので、そのまま帰宅させられていたようです。ということは、実際に学校に入れたのは本来の生徒数の1割くらいだったのでしょうか。半額だけ学費を納めるから、授業を受けさせて欲しいとい懇願する父兄も多く見られたようです。

 

1990年代後半からUniversal Primary Educationという名目で全ての子供への教育を進めてきたウガンダですが、このコロナの影響で折角築いてきた教育の基盤が崩れかけているように見えます。ウガンダでは、日本と同等かそれ以上に教育熱が高く、多くの親が収入の大半を投じたり、時には借金をしてでも、学費を払い続けてきたという背景がありましたが、コロナの影響には抗えずにいるようです。

 

今までも、学校が輩出する人材を受け入れるだけの就職先がないという現状が長らく続いていましたが、今後学校が輩出する人材も減るだろうことを考えると、教育の変化は社会構造に与える影響は相当大きいだろう事が予想されます。

 

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