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以前にロックダウン中に街中で販売される農産品の値段が下がったことを書いたが、今日はウガンダと農業について書いてみる。

コロナウイルス、ウガンダの現状 2020年5月8日

私の経営する会社では、コロナの影響で一部の社員を解雇し、また一部の社員の勤務日数を極端に減らし、それに合わせて減給している。皆、家族の生活がかかっているし、この状況下で再就職も難しいだろうから、解雇または極端な減給の通知の際に多少彼らと揉めるだろうことも想像していた。でも、実際には誰一人として抵抗することなく、解雇または減給を受け入れてくれた。嘘をついてでもゴネ得をしようとする社員が一人もおらず、他の会社はもっと早い時点で解雇していたし仕方がないと正直に言ってくれた。

 

このコロナ禍、私も少しでも皆の雇用を守ろうとしていたし、問題なく経営側の提示を受け入れてくれたのは有り難いのだが、本当に彼らは食っていけるのか、子供を学校に行かせてやれるのか、心配は心配である。そんな彼らの殆どが言っていたのが、実家で農業をする、だった。

 

解雇した社員も全くの仕事がないと困るだろうからと、週に1回だけでも雑用に来てもらい、小額ながら日給を支払っていたのだが、最初から全く雑用に来ない、だんだんと来なくなる社員がいた。農業に専念するためにカンパラの家を引き払い、実家に引っ越したのでカンパラまで通勤できない、とのこと。彼らが言っていた農業をやる、は本当だったようだ。

 

帰れば耕す農地があること、それで食べていけること、やはりウガンダは農業基盤という面でとても恵まれている。解雇や減給をすんなりと受け入れた背景には、このような社会構造の強さがあったのだろう。それと、今でも多くの人たちが畑を耕す体力と気力があり、多少なり農業の知識があること。これも幸いしている。休業手当も失業保険も賃金補填もGoToTravelもGoToEatも一切ない中、皆自力で食べていこうとするたくましさに感心する。

 

脆弱や貧困などと形容されることが多いアフリカだが、こうやってコロナ禍をしのぐ彼らを見ていると、脆弱や貧困という言葉は彼らに当て嵌まらないように思う。当初の予想を覆し、アフリカでは見事にコロナが流行せず、政府からの支援もない中、たくましく生きる人が多くいて、コロナは世界のアフリカに対する考え方が変わる良い機会になるのかもしれないと思っている。

 

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