コロナ禍、ウガンダの裁判所

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とある事故の証人として、裁判所から声がかかったので、久し振りに裁判所に行ってきた。毎回被害者としてだが、その裁判所は今までに何度かお世話になったことがあるので、大体の勝手は分かっている

裁判所に到着して、刑事事件なので警官に話しを聞いてみたところ、その首都カンパラの郊外にある下級裁判所ではなく、最高裁で裁かれるので、最高裁に行くよう伝えられた。私の知らない間に大事になっていたのかと心配したが、そうではなかった。コロナの感染対策として刑務所に入れられている容疑者を裁判所に連れてこずに、刑務所と裁判所をZoomで繋いで裁判を開くのだそうだ。

大遅刻になってしまったが、最高裁判所に到着した。裁判所にいる皆もオンラインの裁判がどこのホールで開かれているか把握しておらず、裁判所に着いたあと、私が出廷する裁判のホールに到着するのに更に時間がかかった。

バタバタしつつも、裁判所のホールに入る。確かに、オンラインで裁判を行っている。50インチくらいのモニターが2枚天井からつるされていて、1枚は傍聴席用、1枚は裁判官や関係者用に180度違う向きに配置されている。

検察官が次に出てくる容疑者名を読み上げるが、人数が10名近い。で、確かに10名くらいの若者の男性がモニターにぞろぞろと出てきた。皆捕まった時の服装なのか、普通の私服を着ている。背景は白で、10名が入りきるくらいの広めの画角で、きれい照明が当たっていて、且つ少し人を見下ろす角度の映像で、今からDJが音を鳴らして、誰かが歌を歌いミュージック・ビデオが始まってもおかしくない感じで、裁判所という印象がない。

検察官が一人一人名前を呼び本人確認をするが、どうやら一人足りないようで、画面に収まっている9人が一生懸命その10人目を呼ぶのだが、その懸命な様子が滑稽だった。容疑者が出揃い尋問が始まるが、容疑者の話す部族語を裁判官も秘書も検察も誰も話すことも理解することもできないことが分かった。裁判官が傍聴席に向かって、この言語を話せる人がいるか尋ねる。最初は誰も手を挙げなかったが、裁判官が3回くらい尋ねたところで、一人の女性がその言語の通訳として手を挙げた。以前にもこのような光景は見たことがあるし、裁判所にいた皆もそれを当たり前のように受け入れていた。ウガンダの裁判所での通訳は、ボランティアで且つ現地調達が基本のようだ。

尋問の内容まで良く分からないが、ひそひそ話しで隣の人に聞いてみたら、夜間外出禁止令を破り、また窃盗の容疑もあるらしい。一番背の低く口数の多い男の子が延々を許しを乞うのを続ける。裁判官がそれを止めようとする、一応通訳が訳そうとする、ただその男の子があまりにも延々と話し続けるのとその仕草が可愛らしく滑稽な感じで、皆それが可笑しくなって、裁判官も通訳も笑い出し、そして傍聴席からも笑い声が起きた。通訳も馬鹿馬鹿しいみたいな感じで笑いつつ、通訳を止めて自分の席に戻る。

最初は仕事の時間を割いてまで、裁判所に来るのを苦痛に思っていたが、だんだん楽しくなってきた。裁判所にはドラマがあって面白い。その後、様々な容疑者が出てきたが、以前と比べて年齢層が圧倒的に若いように見えた。コロナの影響で学校が閉鎖になっていること、社会全体の経済が苦しくなっていることが背景にあるのだろうか。

私が証言をしないといけない容疑者は、私が裁判所に着く前に出廷していたらしく、結局その裁判は延期された。彼の拘留期間が長くなってしまい申し訳なく思う反面、もう一度この裁判所に来ることができるが少し楽しみになった。そして、もう場所も分かったので、次は遅刻せずに来てちゃんと証言としようと思った。

 

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