黒人と日本人のハーフの子を持つ親として、大阪なおみのことは以前から気になっていて、当初は天然ぎみの可愛い女の子という認識だった。
今回、彼女が試合後のインタビューを拒否して、大会を辞退し、見事なまでに皆から反対され、非難されている件だが、得てして日本人というのは、物申さず、波風立てない性格で、批判されることが少ない民族だと思っている中、大阪なおみがここまで世界中の批判をもろに受けているというのは興味深い現象だと思う。
日本育ちではなく、身体的な特徴も普通の日本人とは違っていて、多くの日本人が彼女を本当の意味で日本人と思っているかは疑問ながら、日本国籍を持つ者として、世界から批判を受けることがほぼ間違いない中、堂々とこのような発言をした彼女の勇気に感心している。
天然で決して計算高いとは思えない彼女だけに、今回の発言も打算のない純粋な気持ちでのものだったのだろう。本業である大会にも出れなくなって、おそらくスポンサーも減って収入も減ってしまうような結末は目に見えていたのに、純粋な気持ちで行動に移してしまう彼女を私は憎むことができない。天晴れとも思ってしまう。
話しが変わるが、晩年のマイケル・ジャクソンがパパラッチを非難した時に、とある番組で司会者から、過去にホテルから姿を現すなど私生活を見せたり、そういう形でマスコミを利用することで、自分の歌を売ってきたあなたが、今さら何を言っているのかというような言葉を浴びせられていた。
今回の大阪なおみも似たようなところがあって、善意でやったものと信じているが、政治的な意味合いの言葉を書いたマスクを着用して、都合よくマスコミを利用しながら、試合後のインタビューは嫌というのは、やはり虫のいい話だったのだろう。
セリーナ・ウィリアムズに勝って初めて優勝した時はあんなに好意的に受け止められていたのに、政治的な発言をするな、ラケットを壊すなと、今や批判ばかりになってしまったが、私は今でも大阪なおみが好きで応援していきたいと思っている。