私の思うアフリカ ~なぜアフリカは発展しないのか~ 00 始めに

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ウガンダ在住歴が30年近くになる私だが、「なぜアフリカは発展しないのか」という問いに答える形で、私の思うアフリカを書いてみたいと思う。

私が初めてウガンダにやってきたのは1994年。ルワンダでは大虐殺が起きた年で、南アフリカではマンデラが黒人初の大統領になった年だった。ウガンダは内戦が終わって8年目で、今のようにカンパラに多くのビルはなかったし、人の数も車の数も少なく、まだまだ内戦からの復興中にあった。

当時も新聞、ラジオやテレビなどの報道はあったが、まだインターネットがなくて、アフリカに関する情報はとても乏しかった。外国語大学を中退した私は、それなりに海外の文化への関心があり、ウガンダに来る前に何冊か本を読んで歴史や文化などアフリカのことを勉強した。ただ、そこで得られる情報量は限定的で、現代社会や実生活に関する情報は殆どといっていいほどなかった。

2002年以降に日本―中東を結ぶ直行便が始まり、日本からアフリカに行きやすくなった頃から、ウガンダを始めアフリカに来る日本人が格段に増えた。現在はコロナの影響で往来が滞っているが、アフリカで働く社会人、観光旅行者、大学生と幅広い分野からの人たちが来るようになっていた。

また、インターネットの普及に伴い、多くの人たちがアフリカの情報を発信するようになった。以前と異なり、特定の業界の人だけではなく、いろんな分野の方たちがいろんな角度からアフリカを見聞、体験して、いろいろなアフリカの情報をネット上に書いている。それらの情報を通してアフリカを知る人も多いだろうと思うし、様々な情報を得られるということは、アフリカに行きたい人、アフリカを知りたい人にもとても有益なことだと思う。

しかし、私は私で、少ない情報をもってアフリカに来られたことは幸せだったと思っている。見るもの聞くもの初めてのものばかりで、先入観なく物事に接することができたし、他人が作った既成概念の延長上にアフリカを捉えることがなかった。事前に学んだことの中から正解を見つけるのではなくて、何事も自分の目で見て、自分の頭で考えて解釈するという習慣が身に付いた。

海外から見る日本と日本国内から見る日本では、日本の見え方が異なるが、それはアフリカでも同じことだ。日本人が理解するアフリカも、当然海外から見たアフリカだが、今回、私はアフリカから見たアフリカを書いてみたいと思う。

私は国際協力や開発を学んだことはなく、そのような仕事に従事したこともない。なので、そのような専門的な知識を有しておらず、その分野の専門的なことは書くことができない。あくまでも、主にウガンダにおける自分自身の仕事や私生活を通しての見聞、経験や自分で調べたことに基づいたことを書く。

念のために書いておくが、アフリカについてこんな考え方もあるというのを知ってもらうのがこの文章の目的で、自分の考えを人に押し付けたり、他の方の考えや活動を否定したりするつもりは全くない。また、アフリカといっても、国や地域によって、個人によって考え方も多種多様で、私の思うアフリカが全てにおいて当て嵌まるとは思っていない。

では、10の理由から「なぜアフリカは発展しないのか」との問いへの答えを書いてみる。

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