私の思うアフリカ ~なぜアフリカは発展しないのか~  06 人口爆発

Pocket

今回はウガンダの人口から「なぜアフリカは発展しないのか」という問いについて考えてみる。

 

ウガンダが独立した1962年の人口は約700万人、2022年の推定人口が約4,800万人。独立後の60年間で人口が約7倍に増えている。その背景に、70年代から80年代半ばまで続いた内戦や、アミン元大統領による外国人の追放、80年代から始まったHIVエイズの大流行があったにもかかわらず、ここまで人口が増えている。

 

この7倍という数字が意味するところは、7倍の農地、7倍の食料、7倍の住宅、7倍の電力、7倍の学校、7倍の教師、7倍の病院、7倍の医師、7倍の建築物、7倍の市場、とにかく何でも7倍必要ということだが、独立後の60年間の最初の半分くらいは社会が不安定で、社会を発展させるどころではなく、インフラは衰退していく一方だった。

 

加えて考慮すべき点がいくつかあるが、先ずは時代や社会の変化で、62年当時より家庭や職場で使う電化製品も圧倒的に増えたため、電力は7倍では全然足りないし、無償教育が始まり、高等教育を受ける子供も増えたため、学校の数も教員の数も7倍では全く足りない。諸々のインフラが圧倒的に不足していて、人々の衣食住もままならないのも無理はない。

 

次に、年齢別の分布だが、この60年間ほどずっと、15歳未満が46-49%、15-64歳が48-52%という数字に落ち着いている。人口ピラミッドの図を見ていると、とても登りやすそうな階段のような形をしている。

 

15歳未満の年少人口がとても多いのが特徴だが、ウガンダは小中高が7・4・2制なので、6歳で小学校に入学して13歳で卒業、日本の高校に当たる中等教育の上級課程を終えるのは19歳。4年生の大学に行くと卒業が23歳。この年齢層の全員が就学しているわけではないが、同時に15-64歳の生産年齢人口で現金収入が安定しない人もかなり多い。それは、生産年齢人口で現金収入のある人たちに大きな負担がかかることを意味する。教育の提供、教育費の捻出に国民皆が四苦八苦していて、教育費にもエンゲル係数みたいな数値があったら、ウガンダのそれは相当高い数値になるのだろう。

 

なので、「なぜアフリカは発展しないのか」という問いへの答えの一つは、人口爆発だと思う。この問題が解決したら、家計の負担、社会の負担が減って、家計も社会の運営がずっと楽になるだろう。ただ、子沢山は良いことだという文化は未だに根強いし、政治家も有権者の好まない政策を打ち出すと選挙で得票できないし、この現状はこれからも続くだろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です