私の思うアフリカ ~なぜアフリカは発展しないのか~  10 人類の歴史

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「なぜアフリカは発展しないのか」という問いに、人類の歴史から考えてみる。

 

我々ヒト、ホモ・サピエンスがアフリカに始まったことは皆が知っているところで、ホモ・サピエンスは約20万年前にアフリカに誕生し、その一部が約数万年前にアフリカ大陸を出た。その後、彼らはユーラシア大陸で文明を築き、更にその一部が数百年ほど前に再びアフリカに戻ってきた。

 

そして、「アフリカを出たヒト」は文明と共にアフリカに戻ってきて、アフリカを暗黒の大陸や未開の地などと呼んだ。また、自分たちの経済状況と比較して、アフリカの状態を貧困にあると定義づけた。金、象牙、奴隷などを貿易する時代を経て、植民地化という形で自分たちの社会形態をアフリカに持ち込み、「アフリカのヒト」たちに彼らと同じことをさせようとした。現在もその流れは続いている。

 

アフリカの経済状態はアフリカからしたら、それが自分たちの標準であり、数百年前に戻ってきた人たちに定義されるまでは、自分たちは普通の標準的な生活を送っていて、自分たちが貧しいと思っていなかった。現在アフリカは脆弱で助けが必要な人と考えられているが、アフリカでホモ・サピエンスが誕生して以来、20万年間も誰の助けもなく自力だけで生き延びてきている。「アフリカを出たヒト」が、数百年前にアフリカに舞い戻ることがなかったら、「アフリカのヒト」は今まで通りなんの不自由のない生活を送り、何らかの形でゆっくりとした発展を続けていただろう。

 

一度アフリカを出た人がアフリカに戻ってきたことは間違いのない事実で、彼らは文明をアフリカに持ち込み、それはアフリカの人たちの生活を大きく改善させた。しかし、文明こそが正義だといわんばかりに、それを押し付けるのには疑問を感じる。日本も歴史的には中国や西洋から多くのことを学び、それを自国に取り入れてきたが、それを自らの取捨選択よって行ったのに対して、アフリカでは植民地化という過程において、自ら取捨選択することなく、全てが押し付けられたからだ。

 

アフリカにはホモ・サピエンスが誕生してから20万年間も行き続けてきた実績があって、それと比べて、アフリカを出たヒトが文明を形成したのが数千年前、現代社会の形態を作った産業革命が起きたのが200年ほど前で、ヒトがアフリカで過ごした期間よりも圧倒的に短い。「今ここ」という視点で見れば、文明のもたらした現代社会の方が優れているのはおおよそ間違いないだろう。ただ、もっともっと長い目で見た時に、科学の力で地球の資源をふんだんに利用する文明社会が、アフリカに残ったヒトがアフリカで培ってきた知恵よりも優れているとは限らない。文明や科学の力を使わずに、何万年も地球の自然と付き合ってきたヒトの知恵から学ぶことは多いはずだ。

 

「なぜアフリカは発展しないのか」という問いの根底には、潜在的であったとしても、アフリカの社会よりも文明社会の方が優れていて、アフリカが劣っているという既成概念が潜んでいることを意味する。そんな既成概念がある理由だが、奴隷売買を正当化するために、植民地化を正当化するために、「アフリカのヒト」は劣っていなければ都合が悪かった時代が長く続いたこと、あるいは続いていることが大きいと思う。また、それは彼らに劣等感を植え付けてしまった。

 

よって、「なぜアフリカは発展しないのか」という問いへの答えは、一度自分が知ったまたは学んだアフリカに関する常識を一旦全て取り払って、自分の目でアフリカを見つめてみることだと思う。

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