こぼれ話 過酷な給油 長編

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私はちょっとした潔癖症である。そもそも握手が苦手だし、他人のパソコンを触る時は先ずはキーボードやマウスをウェットティッシュで拭きたいし、ハグとか回し飲みなぞもってのほかだ。誤解を招かぬよう予め断っておくが、その対象は老若男女や肌の色を問わない。以前からその傾向はあったのだが、感染症の大病をしてからは更にその傾向が強くなった。正直、コロナが流行し、日常的に正々堂々とマスクやアルコール消毒ができるようになったのを心底嬉しいと思っている。

話は変わるが、アフリカもどの国でもカード払いが普及してきている。ホテル、飲食店、スーパーなど小売店ではかなりカード払いができるようになってきた。ガソリンスタンドも、大手の会社の給油所であれば、ほぼどこでもカード払いができるようになった。給油は満タンにすると必ず端数が出るが、お釣りを懐に入れたいガソスタの給油係がお釣りがないと嫌がらせをするなど問題も多かったので、カードで支払いができるのは大変ありがたい。

で、今日ガソリンスタンドに給油に行った。満タンにして、ガソリン代をカードで支払う。なぜかガソスタのカード決済の端末は、必ずといって良いほど汚い。汚れた端末をいやいや手にして、しぶしぶ暗証番号を入れる。少し通信待ちの時間があったが、通信エラーになったようでやり直しになった。あの汚い端末をまた手にしなければいけないのかと思った矢先である。

なんと、ガソスタのお兄ちゃんがこともあろうに私のクレカで自分の坊主頭を掻いた。私のカードで自分の頭を3-4回ボリボリと掻いた。鳥肌が立たないまでも、血の気が引いて背筋がぞっとして、体全体がこわばる。食後だったらお腹を下していたかもしれない。繰り返し念のために言っておくが、人種的なことではなく、日本人がそうやったとしても同じ思いを持っただろう。

二回目の決済を済ませ、カードが手元に返ってくる。速攻で両手をアルコール消毒液でしっかり濡らして、両手でカードを両面からこすり消毒した。コロナ前は堂々とこういうことはできなかったので、コロナ流行でできた新しい衛生概念に大感謝である。カードがきれいになって、やっと呼吸も落ち着いた。領収書をもらって、給油時の走行距離も記録して、ガソリンスタンドを出発する。

感想:はぁ、給油するのも大変だ、と思った。

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