我が古里の川内市、現薩摩川内市は別に自慢するようなこともない田舎町で、自慢が綱引きというと、なぜ綱引きが自慢になるのかと不思議がられる程度の市なのですが、大谷翔平さんのお陰でちょっと自慢のできる市になりました。
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大リーグのエンゼルスの選手がホームランを打つと、日本製の兜を被るお祝いがありますが、これを製造する会社が薩摩川内市にある甲冑工房、丸武です。この工房へのアクセスですが、新幹線の川内駅から車で15分。この工房行きのバスも出ています。
着いて先ず見学するのは、甲冑を作る工房です。職人さんたちの作業風景を見学することができます。廊下からガラス越しに工房内での作業の様子を見学するのですが、様々な作業工程を見ることができました。
また、車椅子で来られた方でも中が見られるように、立った位置から見る窓と、座った位置から見られる窓と、二つのガラス窓があります。民間企業の無料の工房見学でここまで、訪問者への配慮がされているのに感心しました。敷地全体がバリヤフリーの設計になっていているので、車椅子の方にもお勧めできます。
工房の次に甲冑の展示場に入ります。入り口に飾られているのが、エンゼルスがホームランの儀式に使っている兜です。甲冑の展示場はかなり広く、ちゃんと数えていませんが、おそらく4-50体ほどの甲冑が展示されています。それぞれの甲冑はとにかく見応えのある、見事な出来映えで、うっとりとさせられるものばかりで、戦場での実用性とは縁遠いほど派手なもの、美しいものがたくさんありました。兵隊さん用に作られた物でないのでしょうが、現代の機能性を優先させた戦闘服とは大違いなので、戦争に対する概念も時代によって異なるのかなと思いました。
この会社の社歴を読んで知ったのですが、当初この会社は釣り具メーカーだったようです。それが釣り具の事業が不振になったことが理由で、甲冑の製造に切り替えたと書かれていました。下記の社史には主な業績が書かれていますが、大河ドラマ、黒澤映画など、それぞれの業界での最高峰ともいえる作品を手掛けられています。
あいにく工房は撮影禁止だったのですが、甲冑の展示場は撮影、SNS可となっていたので、写真をアップします。
私の行ったのが、雨の降る日曜の朝早くだったこともあり、当日訪問者はまばらでした。あと、方言からして殆どは地元からの訪問者だったようでした。とにかく見応えのある工房なので、遠方から見学に行っても、十分満足できると思います。全国の時代劇ファンの方、甲冑ファンの方、ぜひ見学に行ってみてください。また、工房の作業風景を見学したい方は平日の方がお勧めです。
因みに、この工房の門のヒンジを作ったのは我が父でした。確認のしようがないので、本人の自称を信じるしかないのですが、門の重量に耐えられる特殊なヒンジらしいです。
こちらが丸武の外観です。
入り口に貼られている理念です。
便数は少ないものの、バスで行くこともできます。
こちらは、大リーグ、エンゼルスのホームラン・セレモニーで使われる兜です。
とにかくたくさんの甲冑が展示されています。私は時代劇ファンではないのですが、その美しさ精密さに圧倒されました。
こちらは、黒澤映画「影武者」関連の展示物です。
同じく、黒澤映画の「乱」
こちらは、大河ドラマの「真田丸」
創業当時作っていた釣り竿。
こちらは社史。
この門のヒンジを作ったと主張する男性。ガセネタの可能性あり。